「私のためじゃない。われわれとともに生活をしている人たちのためにやるんです。われわれの隣人のために。列車でたまたま隣り合って坐った人たちのために。知らない子供たち、これから会うこともない子供たちのために。」
正義を成そうとしたときに、その最大の敵が国家であるとき、進む先には絶望があるだけだ
少年少女連続大量殺人犯を追う元国家保安省捜査官のレオの前に立ちはだかるのは国家と言う名の絶対的な正義であり
レーニン主義の実現を目指す理想郷に住む人々は幸福に満ちた善良な者であり殺人犯など存在しないという作られた現実だ
それでもレオは進む
共に危険に身をさらす愛する妻と
殺人犯を憎み殺された子供たちに我が子を重ねる現実の善良な人々の助けを得て
そして国家との闘いの裏にもうひとつ大きな秘密が隠されていた!
いやいやとんでもない傑作でした!
終わり方も良かった!
しかもあとがきによれば本作はロシアでは発禁になっているとのこと、それだけでも読みたくなっちゃうわー
そして現在のウクライナ戦争にも通づるような思想も見え隠れして、今だからこそ読むべき一冊なのは間違いなし!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
トム・ロブスミス
- 感想投稿日 : 2022年10月2日
- 読了日 : 2022年10月2日
- 本棚登録日 : 2022年9月30日
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