大人のためのおとぎ話のようだった。
美しい文章とエスプリの効いた会話に酔いしれる。
しかし、生々しい性描写は命を繋ぎ止めるような切実さを帯びていた。
人は誰しも欠落を抱いている。それをひとりで抱えている限り人は孤独なんだ。
まだ誰もあなたのことを知ろうとしていないだけなのだ。
大きな欠落を埋めてくれる唯一の人なら、幸せな家庭を捨ててもいいという気持ち、分からなくもない。
ハジメと同じようにしたいかも?という深層心理を炙り出してくれる。
村上春樹をまた読みたくなるのはきっとそのためだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年10月30日
- 読了日 : 2023年10月31日
- 本棚登録日 : 2009年12月27日
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