アカデミアを離れてみたら――博士、道なき道をゆく

制作 : 岩波書店編集部 
  • 岩波書店 (2021年8月5日発売)
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本棚登録 : 344
感想 : 37
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博士課程後、世間的には(あるいは、博士を取得した当事者にとっても)それ以降の道はアカデミア職しかないのでは、という思い込みを良い意味で払拭してくれた。よく言われる、生存バイアスについても、コラムを寄せている方々が非常に気をつけて話してくれているのだろうな、というのが伝わってきた。これまで、博士を出た当事者たちの声を多方面からまとめた本はなかったように思うので
ありがたい。
一方で、これは完全に私個人の感想なのだが、もう少しキャリア形成のジェンダーギャップに触れても良いのではないかと思った。男性研究者の方が語るキャリア転換期には、当然のように配偶者の方がついてきてくれることが前提として語られていた。一方で、女性研究者の方は出産後にかなり男性のそれとは異なるキャリア上の困難が語られているにもかかわらず、編集者の方がノータッチなのがなんだかな。。という感じはした。各コラムの最後に、その人たちの略歴が書かれているのだが、女性研究者がn児の母的な紹介がある一方で、男性研究者だとお子さんがいてもその紹介文がないのは、編集部として無意識なのだとしたら結構やばい感覚なのではおもう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月28日
読了日 : 2021年8月18日
本棚登録日 : 2021年8月9日

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