<何について書かれた本か?>
健常者が最も頼っている「視覚」を持たない人々がどのように世界を捉えているかを考察した本。個人の身体によって世界の捉え方が変わる、という観点は哲学的でもある。
<どんな人におススメか?>
自分に自信が無い人。
世界に唯一の正解は存在せず、多くの解釈があることが理解できる。
<アンダーライン>
・見えないことと目をつぶることは全く違う
・見える人が目をつぶるのは、単なる視覚情報の遮断
・(四本脚の椅子の)脚が一本ないという「欠如」ではなく、三本が作る全体を「感じる」ということ
・情報と意味
・「情報」は、受けて次第で、無数の「意味」を生み出します
・「時計の時間」は「情報」、「個々の生物にとっての時間感覚」は「意味」に対応している
・「自分にとっての世界」が環世界
・(生き物は)自分にとって、またその時々の状況にとって必要なものから作り上げた、一種のイリュージョンの中に生きているのです
・見える人は三次元のものを二次元化してとらえ、見えない人は三次元のままとらえている。つまり前者は平面的なイメージとして、後者は空間の中でとらえている。
・鑑賞とは自分で作品を作り直すこと
・ソーシャルビューのワークショップ
・ある意味で、見える人も盲目である
・(盲目の人にはレトルトパックの味の見分けが付かないが)これを単なる状況とは受け取りません。食べたい味が出れば当たり、そうでなければハズレ。見方を変えて、それを「くじ引き」や「運試し」のような状況として楽しむ
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2020年8月1日
- 読了日 : 2020年8月1日
- 本棚登録日 : 2020年7月15日
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