住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち (講談社+α新書)

  • 講談社 (2013年8月21日発売)
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ついつい手に取ってしまう、お国較べモノ。よくある流れを想像しながら開いてびっくり。のっけから領土問題、しかも尖閣諸島に上陸してみた体験談。さらに「領土は実効支配した者のもの」と明快に締める。

私たちの世代(特に女性)は政治的な話はさけるように陰に陽に刷り込まれてきているところがあるが、さすが安保世代? それとも珍しい?
感情的に煽る部分がなくおちついていて、こなれている。結論を保留して、手に入る情報を確認していく話の進め方は心地いい。 
国内の結論先にありきになりがちな主張とは かなり印象が違う。

次項のドイツが脱原発を決めた経緯も興味深い。
脱原発は理想としては美しいが、そう単純ないきさつではないようだ。

そのあと、労働環境、教育、EU(拡大経済圏)とトピックが並ぶ。EUで“損な役回り”についているドイツをTPPにおける日本と重ねあわせて警告を発している。

いろいろとカードを並べて吟味して、最後に何を選ぶかは国民性や好みが出るところだと思う。
やはり日本はいい国だよというタイトルメッセージは、そういうことかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2014年10月6日
読了日 : 2014年10月6日
本棚登録日 : 2014年10月5日

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