2009年にWGP(ロードレース世界選手権)250ccクラスチャンピオンを獲得した青山博一選手の物語。
「最後の王者」というタイトルは、この年で250ccクラスが最後となり、次年よりMoto2クラスへと移行することに由来する。
リーマンショックに始まる世界的な大不況による様々な逆風のなか、青山選手はどのように各レースを戦い、どうやってチャンピオンを獲得したのか。
当然レースの結果についての記述もあるが、それ以上に当時の本人のコメントに対する西村氏の解説が興味深い。「あ、このコメントにはこういう背景があったのか」「技術的にこういうことを言っていたのか」と今更ながらに理解できた部分も多数あり、これは西村氏の解説の上手さによるものだと心から思う。
そして、本書では青山選手以外にも、同じく2009年に翻弄された選手を取り上げている。中でも高橋裕紀選手の解雇についてはまるまる一章を割いており、西村氏にとっても非常に衝撃的な事案であったことが伺える。
現在(2013年)、青山選手はCRTチームでMotoGPクラスを戦っているが、もっと活躍を見たい。そして願わくば「(最高峰クラスでは日本人で)最初の王者」になって欲しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
モータースポーツ
- 感想投稿日 : 2013年5月27日
- 読了日 : 2013年5月25日
- 本棚登録日 : 2013年5月15日
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