非常に耳の痛い話。でも自分の中でなんとなく違和感があった「俺わかっている」的な感覚を改めて戒めてもらえてすごくよかった。ここから進めなければいけない。
今のところ本年ベスト3に入る書籍。これは読んでよかった。
「わたしたちはなぜレイシズムに向き合えないのか」と白人に向けて書かれた本ではあるが、これを少し日本人の視点に変えて読んでみると、我々の中にもしっかりと様々な差別が潜んでいることがわかる。
・レイシズムは「個人主義」的視点で、簡単に解決できるような「個人」の問題ではなく、構造的に「社会化」されたものであることをまず受け止める必要があることを著者は訴える。
・そして日本でも姿形は違えど、様々な社会化されたこのような「差別」的なものは、どんなに学校や社会が綺麗ごとを並べても依然存在していることを突き付ける
-男女差別、学歴差別、職域差別、地域差別、欧米文化から知らないうちに吸収している「レイシズム」ももちろんetc-
・社会化された中で、このことを真摯に受け止めていくことはとても大変なこと。本書での例として「レイシズム」に対する「白人女性の涙」は全てではないにしろ、往々にして、ただの白人の脆さを表すだけだと厳しく一蹴する。
自分自身、国外も長く「レイシズム」も当たり前のように受けたこともあるので一定程度理解しているつもりであったけれども、これは本当に深く反省。自分が真に様々な「差別」に向き合うには全く違った心構えが必要なんだな。ということが改めて良く分かった。
ただ、これは本当に「覚悟」のいることで、社会化された「マジョリティ」の中で挑んでいく難しさというものを感じる次第ではある。
- 感想投稿日 : 2021年8月29日
- 読了日 : 2021年8月29日
- 本棚登録日 : 2021年8月28日
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