ハッピー・バースディ

著者 :
  • KADOKAWA (2002年9月26日発売)
3.18
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本棚登録 : 209
感想 : 39
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あきら(♀)は、夫が事故死したのは誰のせいでもない、けれど誰かを憎まずにはいられなくて裕司を憎む事にしたけれど、夫が事故死したのは、タクシーで急いでいたからで、どうして急いでいたかというと、あきらが電話線を抜いてたから心配してだろうし、あきらが電話線抜いてたのは、裕司がしつこくあきらに嫌がらせの電話をしたからなんだから、あきらが裕司を憎むのは正当なんじゃないかと思ったな。
裕司があきらに嫌がらせを繰り返したのは、単に八つ当たり、だと思うけど、そこまで裕司にストレスを与えたのは、裕司に過剰に愛情を注ぐ(押しつける)母親のせいだろうし、母親が悪いよな。
裕司は、母親には悪意が無いから憎めないみたいな考えだけど、悪意が無くてもそれが裕司にストレスを与える結果になってるんなら、裕司は母親に訴えてもいいんじゃないかと思った。

毒親、だよね、裕司の母親。

裕司と裕司の姉を、2人が感じてしまうくらいに差別して育てたりしてるし、姉に息子(裕司の母親からすると孫)が生まれると、それに執着して、最終的には姉夫婦に絶縁されてるし。
そして、その原因が自分にあるとは考えずに被害者ぶって、周りにぺらぺら。
傍目には害のないオバサンに見えるから、信じる人もいるわけで。
姉夫婦の今後に不安を感じる。

影が薄いけど、裕司の父もダメだよな。
暴走してる妻を止めようとしなかった。
自分を悪者にされるのが分かってたからだろうけど、そのせいで裕司は母親のせいでストレスを与えられ、その鬱屈した感情を母親に向ける事もできず、あきらに向けてしまった。

まぁでも、あきら自身も自分が無さ過ぎる。
夫に依存し過ぎてる。

裕司の気持ちは、なんとなく分からなくはない。
いくらストレス貯まってるからって、関係にない人に嫌がらせ電話やら手紙やらするのは犯罪だと思うけど。
死ねとか言ってる訳じゃないから、自分はそんなに悪い事してる訳じゃないと思ってるかもしれないけど、普通にストーカー事案じゃないか?
あきらは、裕司を訴えれるんじゃないか?

あきらとか、裕司の母親に関しては、よく分からん。
そういう人も、世の中にはいるのかも知れないけど、私には理解できない。
ついでに言えば、あきらの夫も。
犠牲的精神?でもあるのかしら。

あきらは、明(あきら)という名前と、女らしさを感じない体型のせいで苦労したかもしれないけど、それは物語にはあまり関係のない話。
冒頭でやたら丁寧にその件に関するエピソードの説明があったから、全体の内容にかかるのかと思ったら、全然関係なかった。
あきらがただ、主体性のない人だっていう、それも、あきら自身に不幸を招いてるんじゃないかとは思った。

あきらの夫は、あきらが小説を書く事で人生を生きられるようになると思って書かせてたようだけど、最終的にあきらは書くようになったけど、それは現実で生きる事を諦めたって事になるんじゃないか。
それでいいのか???

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年5月16日
読了日 : 2015年5月15日
本棚登録日 : 2015年5月9日

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