羽生善治のみるみる強くなる将棋入門-5ヵ条で勝ち方がわかる (池田書店 羽生善治の将棋シリーズ)

著者 :
  • 池田書店 (2009年2月3日発売)
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感想 : 28
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子どもの頃、将棋で遊ぶことがわりあい多い方だった。だから対局するのには困らないので入門書から読み直さなくてもよいかなという思いは少しよぎったのだけど、この本にして正解だったと思う。

本書では基本的なルールから詰め方、囲い、そして戦法までがわかりやすく説明されている。中でも駒の特徴を「能力パラメータ」で数値化してみせているのはおもしろい。そして、駒のもつ総合力の値から、駒得か駒損かの損得勘定ができるようになっている。実際には、ここに戦況を含めた計算が入ってくるのだろうけど、基本となる考え方が土台にあるのとないのとでは雲泥の差がある。寄せの基本の「包むように寄せる」という表現にもなるほどと頷きながら読んだ。

将棋はルールさえ知っていれば誰でも楽しめるし、対局の数を重ねればある程度までは強くなれる。だけど、本を読んで勉強している人や将棋教室に通ったことのある人にはかなわないと子どもの頃に肌で感じていたことを思い出した。今思えば、経験的に得た感覚から理論に裏づけされた知識に置き換える作業が欠けていたのだろう。

先月から「3月のライオン」を読みはじめて、今、無性に将棋がやりたくなっている。羽生さん監修のこのシリーズで勉強したら前よりは強くなれそうだ。ひょっとしたら「一手先を読む」ことが仕事にも生きてくるかもしれないなんて、子どもの頃とはまた違った愉しみを見出している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: レビュー済み
感想投稿日 : 2011年9月3日
読了日 : 2011年9月3日
本棚登録日 : 2011年8月6日

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