初めて読む、乙一作品。
4編からなる短編集。
もっとホラーで怖いのかと想像していたら、全然違い、ファンタジー要素が強い印象。
1.石の目
“石の目”を見てしまった者は、石となる。
という、昔話風。
これは、すごく怖かった。
山で遭難した主人公SとNは、霧の中に人家を見つけ、助けられる。
しかしここは盆地になっており、周りを一本の砂利道が輪を描いて取り囲んでおり、外には出られない。
先程、ファンタジーとか書いたけど、この話はゾワゾワして本当に怖かったです。
2.はじめ
二人の男の子の想像から生まれた“はじめちゃん”。幻想なのに8年間も交流が続く。
この話は地下水路の探検など、子供時代ならではの冒険物語も楽しめて、私的には一番好きな作品。
3.BLUE
心を持つ不思議な人形達の話。
手作りの5体の人形達は、動いたり喋ったりするのだけど、これが私達人間社会と同様、醜い感情もあったり、葛藤もあったり。
それも子供時代から10代の頃の、若く未熟な感情と言うのかな。
切ないストーリーでした。
4.平面いぬ。
高校生の女の子が、ちょっとした気まぐれで、小さな犬の刺青を入れる。
その犬が動き出す、という不思議な話。
結構ハードな内容なのに、淡々とした文章が良い。
この本はブク友の土瓶さんオススメ。
乙一さんは“ホラーで怖い”イメージで未読だった私に、もったいない!と背中を押してもらいました。
新しいブックワールドへの第一歩となった一冊です!
- 感想投稿日 : 2022年6月3日
- 読了日 : 2022年6月2日
- 本棚登録日 : 2022年6月2日
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