平面いぬ。 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2003年6月20日発売)
3.53
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本棚登録 : 9494
感想 : 776
4

初めて読む、乙一作品。

4編からなる短編集。
もっとホラーで怖いのかと想像していたら、全然違い、ファンタジー要素が強い印象。

1.石の目
“石の目”を見てしまった者は、石となる。
という、昔話風。
これは、すごく怖かった。
山で遭難した主人公SとNは、霧の中に人家を見つけ、助けられる。
しかしここは盆地になっており、周りを一本の砂利道が輪を描いて取り囲んでおり、外には出られない。
先程、ファンタジーとか書いたけど、この話はゾワゾワして本当に怖かったです。

2.はじめ
 二人の男の子の想像から生まれた“はじめちゃん”。幻想なのに8年間も交流が続く。
この話は地下水路の探検など、子供時代ならではの冒険物語も楽しめて、私的には一番好きな作品。

3.BLUE
 心を持つ不思議な人形達の話。
手作りの5体の人形達は、動いたり喋ったりするのだけど、これが私達人間社会と同様、醜い感情もあったり、葛藤もあったり。
それも子供時代から10代の頃の、若く未熟な感情と言うのかな。
切ないストーリーでした。

4.平面いぬ。
 高校生の女の子が、ちょっとした気まぐれで、小さな犬の刺青を入れる。
その犬が動き出す、という不思議な話。
結構ハードな内容なのに、淡々とした文章が良い。

この本はブク友の土瓶さんオススメ。
乙一さんは“ホラーで怖い”イメージで未読だった私に、もったいない!と背中を押してもらいました。
新しいブックワールドへの第一歩となった一冊です!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022
感想投稿日 : 2022年6月3日
読了日 : 2022年6月2日
本棚登録日 : 2022年6月2日

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コメント 5件

松子さんのコメント
2022/06/03

aoiちゃん、おはよー♪
乙一作品デビューおめでとうございます(^^)
楽しかったねー

そうそう、石の目、怖かったね。ドキドキしながらページをめくったよ。読んでいる間、心拍数がすこし高めだった。(^-^;

はじめは、最後まではじめの恋心に気付かなくてびっくりしたなぁ。はじめもBLUEも健気な女の子だったね。

aoちゃんの土瓶さんに背中を押してもらってという感想を読んで、私は先月aoちゃんに三浦しをんさんをおすすめしてもらった事を思い出したよ。
誰かに新しい世界に行くきっかけをもらったり、反対に未知の世界に誰かの背中をそっと押していたり、aoちゃんの感想を読んで、また新たな読書の良さに気付けてよかった。
一緒に読めて、楽しかったね♪
ありがとう(^^)

ひろさんのコメント
2022/06/03

aoiさん、まつ、こんにちは(*^^*)
ほんと、ホラーを想像してたけど、全体的にファンタジー要素が多かった!「はじめ」は冒険してるようなワクワク感も楽しかったですね♪

背中を押してくれてくれる人がいて新しい世界が拓けるって素敵だと思います!

aoiさんも「ブルー」って叫びましたか♪どこまでも真っ直ぐで優しい彼女だっただけに…幸せであったならいいなぁ。

私も一緒に読めて楽しかった~♪
ふふっ金曜日の読書会だったね( *ˊᗜˋ* )/
ありがとう!

土瓶さんのコメント
2022/06/03

背中を押してしまいました^^
 
乙一さんの作品って、ホラーはホラーなんだけどホラーを目的にしないで手段として使っているようで。
とても”せつない”読後感が魅力だと思ってます。
ハズレの作品もそこそこ多いんですが、結構好きです。
知ってもらえて嬉しい♪

そのうち、乙一さんからお歳暮でももらえないかと本気で思う不埒な土瓶でした~(笑)

松子さんのコメント
2022/06/03

どんちゃん、おつかれー(^^)
私たち、みんなどんちゃんのおすすめ楽しんでるね。

どんちゃんは、
通りすがりに、そっとみんなの背中を未知の世界に押して過ぎ去って行くイメージ♪
…そして乙一さんからお歳暮を待つどんちゃん…
どれだけ、ミステリアスなのっ!笑!

aoi-soraさんのコメント
2022/06/03

そう、“せつない”です。
他の作品にも共通しているんですね。
確か、おびさんがレビューに書いていたと思うんですが、“黒乙一”“白乙一”とか。
白の方は明るいホラーとか??
もっと読んでみたい。
ハズレ作品も含めて(笑)

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