納棺夫日記 増補改訂版 (文春文庫 あ 28-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1996年7月10日発売)
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本棚登録 : 1254
感想 : 221
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※この先、映画「おくりびと」のネタバネも含みます。


映画「おくりびと」を見て、さらにこの本に行きついた方は少なくないと思う。ぼくもその一人です。
何かの折に、原作である本書の著者 青木さんが、映画を良く思っていない?ような事を知りました。映画に大変な感動をおぼえていたので、その意図を知りたくてこの本を手に取りました。

たぶん、それは、原作と映画では中心点がまるで違うからだと感じ取られる内容でした。映画は原作の意図する中心点を含んでいない。映画というものに話を収めるには重たすぎる。親子愛が一番わかりやすく纏まりやすいからなのでしょう。

さて、中身ですが、単純明快ですが非常に重い。
ご本人の体験記に始まって、宗教観、増補の体験記そして後書き、と続きます。書いた時期もバラバラなのでしょうけど、言っている核が定まっているので安定していて読みやすい。

彼のような生き死にの捉え方も一つだなと感じて読了。


余談ですが、映画もとてもよくて、僕にチェロを習わせはじめるには十分でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 死生観
感想投稿日 : 2019年12月27日
読了日 : 2019年12月27日
本棚登録日 : 2018年11月18日

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