ものを食べることも、自分で増殖することもしないウイルスって生きものなんだろうか? と思っていたところにこの本を見つけたので読んでみた。名著「ゾウの時間 ネズミの時間」の本川先生だし。
結論から言うと思っていたのと違った。生物学というより、哲学?に近い感じ。アリストテレスから道元まで引用する知的冒険。それはそれで面白い。分裂して増殖する微生物と、有性生殖をする人間を含む多細胞生物を同じ軸で考えれば、「私」の遺伝子を受け継いだ子孫は「私」の一部だと考えてよいのではないか、という提案はちょっとおもしろいと思った。生きものとしての「私」の再定義だ。
残念ながらウイルスが生きものと言えるかどうかはわからないままだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自然・科学
- 感想投稿日 : 2021年1月17日
- 読了日 : 2021年1月22日
- 本棚登録日 : 2021年1月17日
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