第3巻は、恐ろしい闘蛇と王獣との戦いの場から
無事にエリンが逃れてから11年後の話だった。
王獣を武器とする真王が治める国と闘蛇を武器とする大公が治める国。
2つの国は真王と大公が結婚することで一つになっていた。
争いはなりを潜め王獣を操れるエリンにも
真王の「堅き楯」の兵士だったイアルとのあいだに、
ジェシという子供が生まれていた。
母となったエリンだが、その仕事は続いていた。
ある日、闘蛇を育成している村へ行って
闘蛇の集団死の謎を解くよう、命令が下る。
エリンが集団死した闘蛇を調べると、
いやでも自分の母がその集団死の犠牲になったことを思い出された。
闘蛇や王獣を武器にするしきたりには、
古い伝説の中でまだ大きな秘密が隠されていると知ったエリンは、
その秘密を探しに行こうと決心する。が、その矢先に何者かに襲われる。
同じようにエリンの夫と息子も襲われた。
エリンの王獣を操れる力を利用しようとする者がいたのだ。
国の窮地を救おうと、真王は、エリンとの約束を破り、
エリンに王獣の戦闘部隊をつくるよう、命令をする。
二度と王獣を戦いに使いたくないエリンだが、世界の滅亡をふせぐため、
夫イアルともども、苦い決意をすることに・・・。
エリンや王獣のリオンとその一家が穏やかに暮らせたのは、
わずか10年足らずだった。
エリンのまだ知らなかった王獣と闘蛇の過去の秘密があきらかにされ、
わくわくしながらページをめくっていった。
人間ばかりか王獣たちも
平和に暮らせるような世界が果たして本当にくるのだろうか。
平和な世界を望むエリンの苦い決意が切ない。
そして一大決心をしたエリンとイアルのその後の人生はどうなるのか。
最終章の結末が気になって仕方がない。
- 感想投稿日 : 2016年3月18日
- 読了日 : 2016年3月22日
- 本棚登録日 : 2016年3月18日
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