前作と同様、
京都三条鴨川近くで営業する珈琲店タレーランが舞台です。
主役のアオヤマさんとタレーランのバリスタ切間美星は、
あいかわらず、つかず離れずの距離を保ちながらも、
次第次第にその距離は縮まっていました。
平凡な毎日の中でも小さな事件はおこり
バリスタ美星がコリコリと珈琲豆を挽きながら、
研ぎ澄まされた頭脳で謎を解明していました。
そんな夏のある日、
東京から美星の妹の美空が京都へやって来ます。
大学生の美空は夏休みの間滞在することになり、
タレーランを手伝っていましたが、
彼女が京都に来たのには別の理由があったのです。
そしてこの理由こそ、
謎めいた美星の過去と繋がっているものでした。
姉妹の幼いころの秘密が、
京都の街で大事件を巻き起こします。
その事件を解いたのも、姉にあたる美星とアオヤマさんでした。
全体の雰囲気は、
『ビブリア古書堂』シリーズに似ているような気がしますが、
美星とアオヤマの微妙な関係も進展しつつ、
京都のナビ本のようなこの作品、とても好ましく思います。
美星に告白したいけれど、はっきりと言いだせないアオヤマと
察してはいるけれど、これまた言葉にできない美星。
二人の淡い恋愛感情が、
カフェオレのミルクのように作品前編に漂い、
推理小説なのに、
微笑ましい青春ラブストーリーのように仕上がっていました。
ドリンクバー好みの私、
ファミレスに行けば必ずカフェオレは3杯以上おかわりします。
よってこのタレーランの珈琲も・・・
ドリンクバーのように、おかわりしたいと思っています。
- 感想投稿日 : 2013年9月14日
- 読了日 : 2013年9月14日
- 本棚登録日 : 2013年9月14日
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