「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2019年2月14日発売)
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感想 : 67
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基本、人を相手にした仕事をしてきたので、「ありがとう」と言われたときはうれしくなり、またがんばろうと思える。反対に(アンケートなどで)批判されるとやる気をなくす。
これって承認欲求?と思い、読んでみました。

最初に
「承認欲求は本来、人間の正常な欲求の一つである。(中略)承認欲求があるからこそ人間は努力するし、健全に成長していくといっても過言ではない。また、ほかの人と協力したり、助け合ったりする動機も承認欲求から生まれることが多い。」
とあり、著者は承認欲求そのものを否定しているのではない、とわかりました。

「ほめる」と「認める」の違い、など、なるほど、と思う点も多かったです。

仕事については、外資系によくある「評価主義」に対する考え方が変わりました。
「お金で済ましたほうがサッパリする」ことも確か。
イスラエルの託児所のケースも興味深かったです。

そして、この本でもやはり、「もう一つの世界」をもつことの有効性が述べられていました。

とはいえ、本業で疲労困憊している人には難しいことでしょう。
「やりがい搾取」「がんばること(長時間労働)を美徳とする」という日本企業の体質が変わることを願うばかりです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自分用
感想投稿日 : 2022年6月12日
読了日 : 2022年6月12日
本棚登録日 : 2022年6月12日

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