螢 (幻冬舎文庫 ま 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年10月1日発売)
3.53
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本棚登録 : 2232
感想 : 248
4

仕掛けられてるトリックに感心する。
普通の叙述トリックではなく逆になってる。
トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。

最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。

タカタカタを全部口に出して読んだせいか、最終盤は恐ろしくなってしまった。からのエピローグがもう怖い。

解説を大胆要約すると、
『トリックのための登場人物、行動、描写は、人工性の極みのような小説だが、その中で会話し泣き笑うのは生きている「人間」で、そんな齟齬に魅惑的な戦慄が宿ってる。』
と書いてあるが、がっつり戦慄けた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月26日
読了日 : 2023年10月26日
本棚登録日 : 2023年10月24日

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