仕掛けられてるトリックに感心する。
普通の叙述トリックではなく逆になってる。
トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。
最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。
タカタカタを全部口に出して読んだせいか、最終盤は恐ろしくなってしまった。からのエピローグがもう怖い。
解説を大胆要約すると、
『トリックのための登場人物、行動、描写は、人工性の極みのような小説だが、その中で会話し泣き笑うのは生きている「人間」で、そんな齟齬に魅惑的な戦慄が宿ってる。』
と書いてあるが、がっつり戦慄けた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月26日
- 読了日 : 2023年10月26日
- 本棚登録日 : 2023年10月24日
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