平城京のごみ図鑑: 最新研究でみえてくる奈良時代の暮らし (視点で変わるオモシロさ!)

  • 河出書房新社 (2016年11月29日発売)
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感想 : 11
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平城京から出土する遺物から見える奈良時代の暮らしをカラー写真と解説で易しく教えてくれる本。
子供向けの企画展示だったものを本にしているのですが大人でも興味深く面白く読めました。
教科書やお堅い本でみる木簡は人名や農産物を納入した札だったりしますがこの本ではその外に落書きや文字の練習に使われたもの、おかずの不味さを指摘したり酒の無心を書いたものもあり奈良時代が一気に身近に感じられました。

出土品の大部分はごみとして捨てられたものとのこと。
細かい木片や土器の破片も多数含まれたそれらを洗い、何が書かれているかを調べる慎重で時間も手間もかかる作業をこなす奈良文化財研究所の方々の日々の積み重ねで当時の暮らしや都市の様子が分かるようになったのだと思うと軽いノリもある読みやすいこの本がとても重く感じられます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年6月8日
読了日 : 2018年6月8日
本棚登録日 : 2018年6月8日

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