印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版 (2011年6月8日発売)
3.88
  • (35)
  • (76)
  • (40)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 662
感想 : 66
5

印象派絵画を、時代背景をもとに解説していく。社会や政体の変遷であったり、工業化と貧富の格差であったり、男女間の事情や社会的立場であったり、確かにその背景を理解すると、絵画の鑑賞に深みが増してくる。取り上げられるのは、有名な絵画ばかり。26作品はカラーで、1000円でこの内容なら納得だ。非常に楽しく読めた。ただ背景にやや重きを置く分、美術的価値に関する叙述が物足りない印象だった。最後の一文、にもかかわらず美しい、という言葉はすっと腹に入ってくる言葉だ。紹介された絵画と、またどこかの美術展で出会うことを楽しみにしたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学、教養
感想投稿日 : 2017年8月12日
読了日 : 2017年8月12日
本棚登録日 : 2017年8月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする