逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密

  • 講談社 (2014年9月2日発売)
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本棚登録 : 453
感想 : 40
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着眼点が素晴らしい作品を続々と発表する作家によるベストセラー作品です。
過去200年におきた大国と小国(人口と兵力に10倍以上の差がある)との勝敗は意外にも28.5%は小国が勝利しているという話から、本書はスタートする。
第3章の「二流大学が勝つには」では、1流大学に無理して入った秀才が挫折して、2流大学を選んだ努力家が成功した事例を提示しているのだが、この話は私の身近でも起こっただけに説得力がある。
とはいえ、第8章「突然の悲劇に勝つには」で導き出された結論(らしきもの)には私は同意しない、というよりも、良否を判断できるものでもない気がする。
自分の子供を殺された犯人を許すか許さないかという事例で、子供を殺された怒りで犯罪をなくそうとするために3ストライク法設定に奔走した被害者家族(筆者は3ストライク法を無益な社会実験と断定)と、一方では犯人を許した被害者両親は友情と結婚生活、自身の健全な心は保たれた・・というような子供を亡くした両者の心の状態を比較して心が平穏だからより幸せだという安易な結論は勘弁してほしい。
残念ながらこの章だけで、本書の信憑性と意義の大半は失われました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月1日
読了日 : 2019年12月1日
本棚登録日 : 2019年12月1日

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