ポアンカレ予想:多様体の基本群が単位元でありながら、その多様体が3次元球面と同相でない可能性はあるのだろうか。
何を言っているのかよくわかりませんが、宇宙がとり得る形について1904年にフランスの数学者ポアンカレが提出した難問です。
ロシアの数学者、グレゴリー・ペレルマンが2002年投稿の論文で証明しますが、その論文も一般人が理解できるものではなく多くの数学者の解説が必要だったようです。
本書ではユークリッド幾何学、非ユークリッド幾何学、位相幾何学、微分幾何学という幾何学発展の歴史が世界情勢に絡めて解説されています。革新を起こした主要な数学者の一人、リーマンが数学的実態と物理的実態を区別して、数学的対象についてのみ語り出すと以降は概念的な話が増えてきて難解です。そしてポアンカレがポアンカレ予想に至るまでの思考がまた難しいんです。
二次元の任意の地点はX、Y軸の二つの数字で表せて、三次元上の地点はX、Y、Zと三つの数字で表せます。数字を増やしていけば、四、五次元といくらでも次元を拡張していけます。その世界が図示できるかどうかは関係なく、この理論によればそんな高次元の世界があるということになります。SFの世界です。
平面の世界地図が地球の姿だとすると地図の右端を過ぎれば奈落の底、実際は右端の外にでると左端から戻ってきます。平面な地表は2Dの四角が集まった地図で、空間の宇宙は立方体が集まった地図になります。2Dの世界地図と同様に考えると立方体地図の上の面から出ると下の面に戻ってくるということになります。宇宙の果てに向かって進めば元に戻ってくるという理屈がわかったようなわからないような気分。
- 感想投稿日 : 2022年9月18日
- 読了日 : 2022年9月18日
- 本棚登録日 : 2022年9月18日
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