月の上の観覧車 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2014年2月28日発売)
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人生の半分以上を生き、残りの方が少なくなった今、大切な人や夢を喪失した過去を振り返り、あの時に違う選択をしていればと後悔している人たちの話。過去に戻れない事は百も承知で。八篇。

もしも選ばなかった方の選択肢を選んでいたらこんなはずでは...という気持ちは痛いほどわかる。どの選択もいやいやした訳ではないだろうし、その時はそれがいいと思ったのだろうから。
何を選びどんなふうに生きたとしても後悔する事はあるんだと思う。だからといって後悔を否定する必要もないし、何度でもやり直しが出来るなどとも言いたくはない。
死ぬ時に後悔が一つもないなんて言える人はいないのだから。

一度しかない未来へ。という解説の大矢博子さんの言葉は印象的。
思っていた自分になれていない人など山ほどいるのだろう。たとえ今はそうであってもなりたい自分があるなら、先の方が短くても未来へ繋がると信じたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 荻原浩
感想投稿日 : 2017年2月10日
読了日 : 2017年2月10日
本棚登録日 : 2017年2月10日

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