さまざまな「青木きらら」たちの物語を集めた短篇集。シュールでユーモラス、そして少しほっこりするかもしれない読み心地の一冊です。
お気に入りは「スカート・デンタータ」。ある日痴漢に対して文字通りに牙をむいたスカートと、そのおかげで強くなってゆく女性たち。その状況に憤慨し苦悩する痴漢の主人公。もちろん痴漢はダメですよ。こんなことが起こったとしたら、多少はいい気味だとも思います。だけれどまるで被害者であるかのように悲哀を切々と語る主人公の姿がもう面白くって仕方がありませんでした。違う、悩むのそこじゃない。
「花束」」「消滅」はシュールな光景と、愁いを抱えた物語の対比が印象的でした。無数の花束や無数のビニール傘という視覚的なイメージが鮮烈です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年12月20日
- 読了日 : 2022年12月20日
- 本棚登録日 : 2022年12月20日
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