5年の時を経て繰り返される連続殺人の謎を追う警察ミステリ。事件の謎もさながら、警察側の面子だの誇りだのという部分が、恐ろしかったりかっこよかったり。事実の隠蔽という部分にはもちろん腹が立つけれど、それに従わざるを得ない現場の人間の怒りもまた、やりきれない気がします。
連続殺人の端緒となる薬害事件など、読み心地は重厚で硬いのですが。最後にたどり着いた真相は……まさかここまでシンプルな個人の感情が核になっていただなんて。巨悪だのなんだのというより、こちらの方がぞくっとさせられました。なんだかもう、誰もかれもがやり切れません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2018年9月19日
- 読了日 : 2018年9月19日
- 本棚登録日 : 2018年9月19日
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