ホラーというにはやや緩やかな、しかし恐怖も確かにあるアンソロジー。なんといっても造本があまりに豪華なので欲しくなって買ってしまいましたが。中身もそれにそぐわずです。本棚の飾りだけではもったいない!
お気に入りはグラント・アレン「ウルヴァーデン塔」。これ、他のアンソロジーで読んだこともあったのですが。なんだかこちらの訳文の方が私の好みに合ったようで、ぐぐっと惹きつけられてしまいました。恐怖よりも乙女たちの美しさが印象的です。
怖いと思った作品はアルフレッド・マクレランド・バレージ「見た男」。これは……見たくなるような、見たくないような。この立場になったら……行ってしまいそうな気がするなあ。嫌だ。
そしてラストのパメラ・ハンスフォード・ジョンソン「名誉の幽霊」が素敵。だってこれ、全然怖くなかったんだよね。ユーモラスな幽霊だし、登場人物たちが普通に幽霊の存在を当たり前のものとしちゃってるし。なのに……うわあ、結末でこうくるか、と。読み応えたっぷりのアンソロジー最後の最後で、物凄く後を引く作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2019年1月2日
- 読了日 : 2019年1月2日
- 本棚登録日 : 2019年1月2日
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