ぶたぶた日記(ダイアリ-) (光文社文庫 や 24-2)

著者 :
  • 光文社 (2004年8月1日発売)
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本棚登録 : 775
感想 : 117
5

とうとう出合ってしまった!
もう10年以上にもなるシリーズものらしいのに、
どうして今まで読んでなかったんだろう、と
思うくらい、好み。かわいい!大好き。
通勤電車の中で、何度も「うふふ」と微笑んでしまった。

ビーズの点目、突き出た鼻、おみくじしばりのしっぽ。
とっても可愛い容姿なのに、渋いおじさんの声と、
大人の分別をもつ、桜色のぶたぶたさん。
私が昔から持っている手乗りサイズのぶたのぬいぐるみと
被ってしまって、妙に親近感が沸く。

こんなにもファンタジーな設定で、登場人物たちがすんなりと
ぶたぶたさんを受け入れてしまっていたら、
たぶんここまで好きならなかった。
みんなぶたぶたさんに戸惑い、突っ込み、不思議がる。
その反応が自然なので、違和感が無い。
読んでいて突っ込みたいところや、どうなってるの?
というところをちゃんと登場人物も突っ込んでくれて、
疑問に思ってくれるから、ファンタジーな設定にもついていける。
筆者の上手さだな、と思った。

それに、最後の「今までで一番こわかったこと」にも上手さを感じた。
この回は、ぶたぶたさんのエッセイを読み上げるのではなく、
背をぶたぶたさんの大きさまで縮めさせて、
ぶたぶたさんを疑似体験させている。
そうすることで、ぶたぶたさんの不安や怖さをより鮮明に伝えることに成功している。
そして、それがしっかりと伝わっているからこそ、その怖さがあってもなお、
人の優しさを見つめて信じるぶたぶたさんの強さとやさしさが引き立っている。

シリーズ、読破しようと思う。

2012-8

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2012年3月11日
読了日 : 2012年3月6日
本棚登録日 : 2012年3月7日

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