窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社 (1995年11月18日発売)
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本棚登録 : 308
感想 : 40
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友人から「源氏供養の、ここの場面間違ってない?!」と問われ、初心者ながら源氏好きを公言し、尚且つ橋本治先生は大好きなのになんと!源氏供養を読んでなかったと今更気が付く私・・・
日々、友人にお勧めされた本やミーハー本に追われて最近源氏関連本読んでいなかったなあと反省しました。
源氏供養を読むならその前に窯変再読せねば!と小さな一念発起、久々に全14巻窯変源氏に手を出すことを決意しました(大げさ・笑)。

久々に読んだ橋本源氏、やっぱり異質ですごいわ。
未だにこれを超える訳本は出てないと思っています。そもそも訳本という枠を超えている。

普通の源氏物語は、誰が訳していても光源氏が主役でありながら彼をめぐるまわりの女達にスポットをあてた物語に仕上がっていて、原文も、紫式部という女房の客観目線が主軸です。
そんな中本書は、一貫して光源氏の主観で物語が進みます。
何もかももってる光り輝く主人公ではなく、奪われたものに焦点を当て、それに対する不満や闇を抱え苦悩する、冷徹だけどまだ幼い光君が登場した時のインパクトは、何度も再読したはずなのにやっぱり衝撃的でした。
紫式部が描かなかった男目線の平安貴族の世界を再現し、ねちねち、くどくど、でも、これこそが当時の人間のありようだ!と私は信じています。。

1巻は桐壷~夕顔まで。
ゆっくり読んでいこうと思います。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2019年6月6日
読了日 : 2019年6月6日
本棚登録日 : 2019年6月6日

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