新装版 影踏み鬼 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2018年1月10日発売)
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本棚登録 : 61
感想 : 6
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江戸末期、市井のありきたりの人々が、ただ身の丈の生活をすることがどれだけ大変であったのか思い知る。そんな中でも人は捨て身の恋に身を焦がし、金や恨みのために人間であることをやめ…。ホラーと言っても差し支えないほどの人間の心の痛々しさをうっかり自分の中に取り込んでしまったら最後、暗闇や匂いまで感じながら、キリキリと締め上げられる苦痛に耐えて読み進めるしかない。こんなにがっちりつかまれるのに、ラストには翻弄され、これが紛れもないミステリであることを思い知る。そんな短編が5つ。選べないほどどれも良かった。大満足。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 所有紙本
感想投稿日 : 2020年10月22日
読了日 : 2020年10月22日
本棚登録日 : 2020年9月10日

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