横道世之介

著者 :
  • 毎日新聞社 (2009年9月16日発売)
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感想 : 670
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上京して大学生活を送る世之介の1年の物語。
あの頃、バブルで、「サラダ記念日」がヒットして、映画は「ハチ公物語」に「トップガン」、パソコンや携帯電話はまだ普及してない頃でテレホンカードとか使ってたなって・・
そうそう学生時代そんな奴いたよねって回想するなかに世之介がでてくる。当たり障りのないサブキャラなだけに憎めない存在、ある人にとっては名前ぐらいしか思いだせなかったり全然記憶になかったり、
サンバサークルに成行きで入ってしまった時の仲間の倉持と阿久津唯←’この人だけいつもフルネーム)
サークルの先輩にバイト紹介してもらったり
クーラーのある加藤の部屋に入浸ったたり
車校に行ったり、
知りあったお嬢様の祥子と仲良くなったり
年上の謎の女千春に興味を持ったり
高校時代の元カノのさくら
勉学にサークル、バイトに恋愛と学生時代はイベント多くて多感な10代は長く感じるのだけど大人になってみて振り返ったら一瞬の出来事だったとか
世之介を回想するシーンが数箇所か挟まれていて、ノスタルジーが増すなかフラグがたったりして、それがより切なさを呼びました。
鉄道事故のこと知っちゃってからは読み進めるのが辛くなってしまったりでした。恋人だった祥子でさえ、初めて世之介が写した写真、最初に見せて欲しいってお願いしたの自分なのに20年も経つとそんな約束したことも忘れちゃってるし、写真見てもどこで撮ったのかわからない感じだし、そんなもんなんですよね。
世之介、馬鹿正直で、成行き任せでなんも考えてなさそうだし、目先のことに振り回されて、所々真剣に考えたり、脱力したり、何だかんだで主人公なだけに気になってたのに。
続編も借りちゃったんだけど、世之介のこと知れば知るほど愛着湧いてきて結末が解ってるだけに先が読みたいって思いになれなくって悩んでしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年9月21日
読了日 : 2023年9月21日
本棚登録日 : 2023年9月18日

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