土漠の花 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年8月5日発売)
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ソマリア沖での海上自衛隊による海賊対処活動は事実、隣国ジブチには自衛隊にとって初の海外拠点があり、ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛の物語。

墜落したヘリの捜索救助要請を受け隊長に任命された吉村3尉以下12名が墜落地点へと出発。

そこへ現地の3人の女性達が命を狙われている、助けて欲しいと駆け込んで来ます。

避難民として保護した矢先、彼女達を追ってきた武装集団により目の前で2人の女性が撃ち殺され、隊長を含め5人もの仲間が一瞬にして命を奪われる。

生き残った1人(アスキラ)を保護しワーズデーン小氏族の民兵に追われながら70km先の活動拠点を目指す隊員達。

自衛隊の隊員が戦闘で命を落とし、交戦する。

まさに命懸けの戦闘が始まります。

2014年、当時の安倍内閣が強行採決した所謂「安保関連法」。

きっと著者である月村了衛氏はこの法に対しそれぞれが真剣に考え、向き合わせたかったのでしょう。

海外での戦闘で日本の自衛隊隊員が命を落とす。

ちょっと出来すぎ感はありましたが、手に汗握る戦闘シーン、そこで芽生える隊員達の絆。

思わず一気読みさせられました。


内容(「BOOK」データベースより)
ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!
著者について
一九六三年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。二〇一〇年に『機龍警察』で小説家デビュー。一二年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、一三年に『機龍警察 暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、一五年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、本作で第六八回日本推理作家協会賞受賞。他の著書に『水戸黄門 天下の副編集長』『ガンルージュ』『影の中の影』『槐(エンジュ)』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
月村/了衛
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。12年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、13年に『機龍警察暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、15年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、『土漠の花』で第六八回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月9日
読了日 : 2023年4月9日
本棚登録日 : 2021年6月28日

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