経済は感情で動く : はじめての行動経済学

  • 紀伊國屋書店 (2008年4月20日発売)
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感想 : 356
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本書が説くところの行動経済学は経済の主体であるところの人間の行動、その判断と選択に心理学の視点から光を当てるという物で、日頃お金の絡んだことを判断する際、以下に感情に支配されているかがよくわかります。

これは以前から気になっていた本だったので読んでみることにいたしました。内容はというと、日常の買い物から、レストランでの食事、株式投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじまで、感情が経済というもの、もしくはお金に絡んだ行為にどれだけ影響を及ぼしているかということを判断と選択に心理学の視点から光を当てたもので、非常に参考になりました。

ここで浮き彫りになったのは、人間の中の
「人間的で、あまりに人間的な」
といいたくなるほどの一面であり、その泥臭さや生々しさは読んでいて「なるほどそうだよなぁ」と何度かうなずいたり、しながら最後までぺ-ジをめくってしまいました。

本書の特徴として、
1.クイズ形式で説く、最新の行動経済学と神経経済学のエッセンス
2.お金と経済に関わるのポイントを「コラム」と「教訓」で紹介
3.話題が豊富(日常の買い物、レストランでの食事、バーゲンセールでの行動、投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじの買い方、など)
4.さまざまな局面でのあなたのくせと、相手のだましのテクニックがわかる
5.考えるヒント、儲かるヒントがいっぱい

であり、「教訓」の部分だけを読んだとしても、全体像がつかめるようなつくりになっております。ただ、残念なところは、役のほうがあまりできのいいものではなく、これがなければもっといいものになっていただろうなぁというものでした。それはともかく、日ごろ、われわれが「合理的」と思って下している経済的判断が、いかに当てにならないかということを教えてくれただけでも、この本を読む価値はあるかと思っております。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年5月23日
読了日 : 2013年5月23日
本棚登録日 : 2013年5月23日

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