倒錯の死角 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年10月7日発売)
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本棚登録 : 823
感想 : 85
4

読み終わった日とレビューを書く日がバラバラになっているので、うろ覚えで書いている時があります。
場合によっては読み直しをしてたりも…意外と頭に残ってないのですね。

大沢芳男の仕事場の上にある屋根裏部屋からは、向かいのアパート201号室がよく見えた。
覗きを日課としていた大沢は、偶然発見した201号室の居住者の遺体の幻影から逃れるためアルコール中毒になってしまう。
病院で治療を受け、伯母の住む家に帰ってきてからしばらくして、再び201号室の新入居者の生活を気にし始めてしまう。
窓を開け放したまま、無防備な姿を晒す女性に対して一方的な妄想を膨らませる大沢。
覗く男と覗かれる女の視線が倒錯し、衝撃の結末が人々を襲う。

読んでいて何か違和感がある、でもそれが何か分からない…ともやもやしながらP399まで読んで「え、そうなん?」とヤラレタ感に浸ってからの袋綴じ。
賛否両論あるでしょうが、袋綴じ部があるかないかで作品の印象ががらりと変わります。



以下ネタバレあり。

二人一役に関しては正直無理がある設定だとは思いますが、あくまで小説ですからね、そこまでのリアリティはいらないような気がします。
ただ、ラストで高野が201号室にやってくる理由はもう少し肉付けがあった方がよかったような。
個人的には、袋綴じ部がないと物語としてのおもしろさが半減するように思います。
大沢の監禁相手はビンゴ、無差別殺人は全然わからなかったので感心しました。
ミステリーには多少なりともホラー要素がないと物足りない人の感想です、ご参考に。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2015年5月7日
読了日 : 2015年4月29日
本棚登録日 : 2015年4月29日

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