外国の地で誘拐され亡くなった8人が、監禁中に
自分の事について朗読をし、それをラジオでながして
という体の短編集。
登場人物のそれぞれの半生の一部分が本人の口から語られ、聞き手がその名もなき人の一生を想像する。
物語の聞き手と読み手が同じであり虚構と現実の差しか無い、ラグ?のなさがこの物語をかえって考えさせないようにしているように思える。
会話で無く、朗読。しかも一度文章に書き出したものを自分の口から虚空に向けて語るのは、一つの祈りの形であるし、受け入れるための儀式のようにも思える。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年5月26日
- 読了日 : 2023年3月25日
- 本棚登録日 : 2023年3月25日
みんなの感想をみる