星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則

著者 :
  • 日経BP (2010年4月15日発売)
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ちょっとだけ感動した。僕が学んだことは、教科書は経営の役に立つということと、教科書はその意味がわかるまで読むということ
内村鑑三が出てくるのに驚き。ビジネスと宗教/生き方というのは遠からずと感じる。特に高い目線を持った経営者はそれだけ人格者であり、人生についても深く考えているのかもしれない。好意的に捉えればそうなる。もしくは星野氏がそうというだけかもしれない。
さて、大成功している企業が、教科書的な考え方、をしているというのは、当然のようでもあり、しかし意外である。教科書というのは、虚学であり、観念であり、抽象であって、個別具体的なカオスが支配する現実世界では使えない。むしろゼロから自分で考える力が重要である。こんなふうに、ややもすれば考えがちだ。
教科書があればいいというわけではないし、この本を読めば星野氏が単なる公式当てはめおじさんではないことがわかる。しかし、確かに教科書をしっかり読み込んで、その「公式」の意味を考え、丁寧に実践するというのは、端的に言えば、良い教師のもとでよく考え、その導きの元で教えをよく実践する、という、当たり前ながらなかなかできない学習と実践のプロセスを丁寧に行うことだ。
しかもそれが役に立つ、ということの実例を紹介してくれるから、丁寧な勉強と実践をやらない理由はない。

また個別の事例は深くまではわからないものの星野リゾートの経営の特徴を察することができる。gよく考える社長の取り組みの姿は自分のあるべき姿の参考になる。
そして、各種の本の非常に簡潔だが良質なイントロダクションともなっている。こんな課題に対してこんな本があるのか、という、日常の課題ベースで参考書を教えてくれる本でもある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事(経営・リスク・災害・仕事術)
感想投稿日 : 2021年4月13日
読了日 : 2021年4月13日
本棚登録日 : 2021年4月13日

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