『銀の匙』『奇跡の教室』を読書会で読んだので、その副読本的に軽く読んでみた本。橋本さんに関する本はもう3冊目なのでさすがに同じ情報がたくさんありすぎたのだけど、この本は彼の著書からの引用も多くて、そのぶん「授業」というよりも「橋本武」という著者の人となりがよくとらえられると思う。
面白かったのは、本当に夜を徹して作ったのだろうなという手書きのガリ版資料が実際に見られること。実際に見てみると、一つ一つの言葉の語註が非常に詳しくて、なるほど、ここまで徹底してやるから一ヶ月で二・三ページのようなペースになるのかと納得した。この徹底した語註の姿勢は、自分にはとても真似できない。その価値を信じているからこそできるのだろう。大村はまと同様、力量抜群の教師が人生を授業に賭けて準備をした時の、有無を言わさぬ迫力のようなものを、この人の手作りプリントから感じる。30代から40代にかけての、まさに働き盛りの時の成果なのだろうなあ。
それともう一つ、橋本さんの決して上手ではない(気がする)短歌も個人的には大好きだ。自分で実際に書くことを楽しんでいる姿勢はとてもいいなと思う。見習いたい!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年3月30日
- 読了日 : 2012年3月30日
- 本棚登録日 : 2012年3月30日
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