〈銀の匙〉の国語授業 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 390
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007097

作品紹介・あらすじ

神戸の灘校で、中学3年間をかけて『銀の匙』をじっくり読み込むという驚くべき授業を続けてきた橋本先生の実践的授業。「国語はすべての教材の基本であり、学ぶ力の背骨」だという"伝説の教師"が、国語の学び方を伝える。「学ぶこと」の原点に気づかされる1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 『奇跡の教室』を読んだ時、エチ先生が実際に『銀の匙』の授業で使ったプリントを見てみたいと思いました。今回はそれが載っています。
    綺麗な字とは言い難いですが、今はあまり見られない手書きのプリントに味わいを感じました。プリントといっても、ただ番号が振ってあったり、桝目があったり、線が引いてあったりと、ほとんど自分で内容を書き入れないといけないもの、書きいれることが沢山あるプリントです。
    そして、そのプリント作りに多大な労力とお金(当時学校に予算がなく、エチ先生は仕事といっても好きなことをやっているので、仕事ではなく趣味と思えばいい。趣味にはお金がかかるものだ。ということでガリ版刷りの道具等を自費で買ったそうです^^;) をかけたそうです。本当に情熱がなければできないことです。そういう教師にであえた生徒は学ぶことを楽しいと感じるでしょうね。本当に羨ましい。うちの子達にも、そういう先生との出会いがあれば…(苦笑)

  • 夏目漱石が激賞した中勘助の『銀の匙』ってどんな文章?それを教材に授業をした現在百歳の伝説の灘高教師の授業に興味があり、読んでみました。
    一つの作品をじっくり味わうというのは受験対策勉強では得られない何かがあります。
    でもこんな授業でいろんなことを身につけたら、受験も難なくクリア出来るにちがいない。

    国語とは生涯勉強していくものだそうです。

  • 橋本武さんにとっての仕事とは、限りなく趣味に近いところにあるものなんだな。だからこそ、時間とお金をかけることが苦にならないんだ。そして、情熱をもち続けることができるんだ。

    エチ先生は、『銀の匙』を教科書として使っていたけれど、『銀の匙』だけを読むことで、生徒の読む力を育んだわけではない。
    『銀の匙』からどんどん横道にそれて多くのことを獲得する授業を展開した。それと同時に、生徒がいろいろな本を読む機会をしっかりつくっていた。

    教材研究や教材の準備の取り組み(中勘助との手紙のやりとり、ガリ版でのプリント作りなど)については、本当に頭が下がる思いだ。

    教員が読むと元気が出る本の類だと思う。

  • 『銀の匙』『奇跡の教室』を読書会で読んだので、その副読本的に軽く読んでみた本。橋本さんに関する本はもう3冊目なのでさすがに同じ情報がたくさんありすぎたのだけど、この本は彼の著書からの引用も多くて、そのぶん「授業」というよりも「橋本武」という著者の人となりがよくとらえられると思う。

    面白かったのは、本当に夜を徹して作ったのだろうなという手書きのガリ版資料が実際に見られること。実際に見てみると、一つ一つの言葉の語註が非常に詳しくて、なるほど、ここまで徹底してやるから一ヶ月で二・三ページのようなペースになるのかと納得した。この徹底した語註の姿勢は、自分にはとても真似できない。その価値を信じているからこそできるのだろう。大村はまと同様、力量抜群の教師が人生を授業に賭けて準備をした時の、有無を言わさぬ迫力のようなものを、この人の手作りプリントから感じる。30代から40代にかけての、まさに働き盛りの時の成果なのだろうなあ。

    それともう一つ、橋本さんの決して上手ではない(気がする)短歌も個人的には大好きだ。自分で実際に書くことを楽しんでいる姿勢はとてもいいなと思う。見習いたい!

  • たくさん角を折ってしまった(あとでまた見返したいページ)。
    銀の匙をやっとちゃんと読もうと思った。
    意外と面白いかもと思わされた。
    タイトルをつけたり、実際に書かれていることをやってみたり、語句の意味を考えたり調べたり、興味深い。

  • 灘中学で三年間かけて中勘助の『銀の匙』を読むという授業をつづけてきた著者が、みずからの教育実践を振り返りつつ、国語の学び方について語った本です。

    著者の授業は、みずから学ぼうとする意欲をもった生徒たちと、彼らの若々しい意欲を自由に飛翔させる度量をもった教師が深い信頼関係で結ばれることによって可能になったのだろうと考えます。その意味では本書から教育についての一定の方法論を性急に引き出そうとするのは控えるべきなのかもしれません。むしろ両者の交流、とくに著者の生徒たちに向ける温かいまなざしに触れることができるというのが、本書の一位番の魅力なのではないかと思います。

  • 灘中・高の国語教育で有名になった橋本氏は、当たり前ながら非常に信念の人だ。自らが印象に残った国語授業がなかったということから、この本にチャレンジし、作家・中勘助氏への手紙から始めて直接の交流。生徒に読み込ませた後は章立てのタイトルを考えさせ、感想文を書かせる!きっと楽しい授業だっただろうと思う。灘が単なる進学校ではなく、素晴らしい教育の場であったことを痛感する。国語教育の7つのポイントに優れたユニークさが凝縮されていると感じた。「読む、書く、話す、聞く」に加えて「見る、味わう、集める」の3つによって深さを得られ、本物になっていく!生徒とともに作った能楽研究同好会はそれを象徴しているようだ。夏休みのグループ学習で4冊の論文集が出来上がるのも凄味を感じたが、やはり元々の基礎能力が高い生徒たちばかりなので可能だったのだろうと思えなくもない。

  • 橋本先生が実践していた多角的な学びを受けてみたかったなー。

  • 『銀の匙』を読んだあと、灘で教材として使われていたと知り
    興味を持ったので手に取りました。3年間『銀の匙』のみという
    究極のスローリーディング!2012年に満100歳を迎えた著者は
    21歳から71歳まで教壇に立った。

    「どんな授業だろう?」と読み進めると意外と「文中の単語の意味を調べる」と
    いうことにかなり比重が置かれていました、そこから脱線(例えば干支の話)していって
    様々な知識を得ていくという方法です、あとは章ごとに生徒に題を
    つけたり、作品に出てくる遊びをしたり、様々な工夫がされています。

    昔はコピー機もないのでガリ版ですべての教材を自主制作、
    それで一日が終わってしまうという教師の鏡のような先生。
    先生が作られたプリントは血と汗と涙の結晶の教材でした。
    教材がそんな風に作られたら学生さんも授業を聞かないわけにはいかなかったでしょうね(^-^)

  • 100歳の授業。
    どんなんだろうなぁと思います。

    その100年を本当に、好きに生きてきたんだなぁということがよく分かります。

    でも、教え子が自分より先に亡くなっていくというのは、けっこうたまらなくさびしいものがあるよなぁと思います。

    そして、今も昔も変わらず、マスコミは、はじめから自分で決めたストーリーで報道するというのがよくわかる一冊だ。

    人間、自分の大好きなことをして一生過ごせれば、それが1番です。
    そういう人生を過ごすために、がんばろう。

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