Jミステリー2023 SPRING (光文社文庫 こ 1-27)

制作 : 光文社文庫編集部 
  • 光文社 (2023年4月12日発売)
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感想 : 40
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イキの良い作品が目白押し! 豪華ミステリー作家陣のアンソロジー #Jミステリー2023SPRING

大っ嫌いな冬も終わり、春がやってきました~
今年も桜が綺麗で、いろんなところでお花見を楽しみましたよ。

新刊のJミステリー2023 SPRINGが出版されるとのことで、例によってものすごい勢いで買ってきました。脂が乗りに乗ったミステリー界の豪華作家先生たちのアンソロジーです。

■相続人を宿す女/東野圭吾【おすすめ】
めちゃくちゃ面白い、さすがですよ。いつものとおり神尾武史と真世が活躍するシリーズ。
テーマ性が素晴らしい、短編でなく長編もいけるほどの重厚感。人の心の機微や葛藤も良く描けている。シンプルかつ読みやすく、まさに東野先生の凄さを体験できます。

強く生きるためには何が必要か、教えてくれる作品でした。

■必要不可欠な殺人/結城真一郎
結城先生は『#真相をお話します』の印象が強かったので、正直こんな作風にびびった。こんな綺麗で文芸的な小説を書く先生とは… 御見それしました。

人と人との絆、思いやりが暖かく、ほんのり心休まる作品で素敵でした。

■拾った男/阿津川辰海【超おすすめ】
今年の本格ミステリーの短編ではトップクラス!
さすが本格ファンの喜び処をわかってる~
しかも例のアレとは思いませんでした、めっちゃ嬉しい。

舞台設定からプロット、登場人物、伏線、トリック、解法までバッチシ。出来が良すぎ。
犯人との舌戦ものですが、詳しくレビュー書かないから、ぜひ読んで! 面白かった!

■ロイヤルロマンス(外伝)/真梨幸子
まさに先生らしい作品ですね。シンプルでわかりやすいイヤミス。
女のマウント取り合い、妬み合い、いがみ合いがいいわ~

荒唐無稽で馬鹿馬鹿しく、ただ決して笑えない。切なくなるお話でした。

■大きな手の悪魔/白井智之
知的生命体が地球への侵略を背景にしたSFミステリー。
お得意のエグさグロさが秀逸で、舞台設定に対する解決策の発想力が突拍子もなくて最高。若干のやりすぎ感、ありえない感が超刺さりましたよ~

■老いた犬のように/近藤史恵【おすすめ】
ストレートなテーマ性。
ぼーーーっと生きてる、無能・無粋な奴に喝を入れてくる。

あえて言わせてもらうと、この露骨な主張は好きじゃないです。
でも、美しくも力強く、示唆に富んだ素晴らしい作品でした。

○おまけ
素敵な桜でも見ませんか?
twitterに写真を上げてますので、お時間がある方は是非みてね。

秋@ミステリー読書垢 ~お花見の写真~
https://twitter.com/autumn522aki/status/1641009090766966784
https://twitter.com/autumn522aki/status/1639235109688840193
https://twitter.com/autumn522aki/status/1638439028306612225

本年度もたくさんミステリーを読みたいと思わせてくれるアンソロジーでした!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2023年4月16日
読了日 : 2023年4月16日
本棚登録日 : 2023年4月16日

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