鬼★5 身に覚えのないSNS炎上案件に巻き込まれる恐怖っ 翻弄されるまくる傑作ミステリー #俺ではない炎上
クソ面白い!圧倒的に★5
これは間違いなく今年のミステリランキングに入ってくる予感。
住宅会社の部長である主人公が上司に呼び出される。主人公のSNSが殺人犯として大炎上しているというのだ。全くの事実無根であり、すぐに解決するだろうと軽視していた主人公であったが、炎上はどんどん大きくなっていく。
ネットやマスコミはもちろん、信じていた家族、会社、同僚、警察にすら疑われ、主人公はひたすら逃亡することになり…
今回もやってくれました、まさに社会派ミステリー&サスペンスの傑作です。
正直、序盤中盤はこの設定ならこうなりますよね、サスペンスとしてはお見事だけど、どうなるんだ?と思ってましたが、中終盤からは凄すぎ!何度も顎が外れるような展開だし、最後にはこんな結末が待っていたとは。読後の納得感も超絶高いです。
あ、序盤中盤はスピード感もあって超読みやすいのですが、中終盤は目を流さず丁寧に読みましょうね。
また本作はストーリーとしても絶品です。
起承転結がよくできており、主人公が追い詰められていく描写や、逆に主人公以外が追い詰めていく描写はお見事! まーこわいですから。そして途中途中で挟まれるSNSの書き込みも物語を盛り上げる良いスパイスですね。
登場人物のキャラクター、人間性も大変良く描けています。なんか全員の気持ちに共感できてしまうんですよ、何気なく書かれているんですが上手ですよね~
そして本作は何といっても例のフレーズ。
読み返してみると、いろんなところ登場しており、本作のテーマをガッツリ読み手の魂に刻んできます。
自分も年寄り側の人間なので、いつも思っていたことがありました。
権利ばかり主張し、自分の責任は果たさないヤツ。自身の弱みを利用して、過剰に権利を請求するヤツ。なんて奴らだと軽蔑して正論をかざしていましたが、果たして…
自らと社会を振り返る、社会派の小説としても大変良作でした。おすすめですっ
- 感想投稿日 : 2022年5月20日
- 読了日 : 2022年5月20日
- 本棚登録日 : 2022年5月20日
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