「アメストリス国の片田舎で暮らす、エドワードと弟のアルフォンス。2人は錬金術師としての類まれな才能を持って生まれてきた。しかしある時母を病で亡くす。母の死を受け入れられない2人は禁忌をお菓子、人体錬成で母を蘇らせようとするが・・。」
「錬金術とは、無制限に何でも出せる便利な術ではあく、きちんとした法則が存在している。まず第一に、錬金術を使う際には「理解・分解・再構築」というステップを踏まなければならない。「理解」は、元の物質そのものの性質や構成する元素を知ること。「分解」は、それを新たなものに作り替えるために、元素レベルでバラバラにすること。「再構築」は、バラバラにしたものを新しい物質に再び作り替えることを指す。
このステップを踏む際の注意点が二つある。それが「質量保存の法則」と「自然摂理の法則」という二つの法則。前者は、質量1のものからは同じく質量1のものしかつくり出せないということ。後者は、水の性質のものからは、同じく水属性のものしか作り出せない。
2つの法則にのっとりながら、「理解・分解・再構築」を行うこと。それが錬金術の本質であり、実は現代科学が行っていることと全く同じなのだ。
この作品における”錬金術”はあくまでファンタジーだ。しかし本来の錬金術がそうであったように、物語のその節々には、科学の理解につながるような知識が登場する。まさに、ファンタジーの世界で繰り広げられる冒険を楽しみつつも、科学の考えを身に着けられる一石二鳥な作品である。」
(『東大×マンガ』東大カルペ・ディエム著 p108より)
- 感想投稿日 : 2024年4月16日
- 本棚登録日 : 2024年4月16日
みんなの感想をみる