「今は、のどかな森のほとり、ひとりの兵士が死んでいる。1時間前、兵士は生きていて闘っていた。2時間前、兵士はひとり道に迷っていた。…10日前、恋人にプロポーズをし将来を誓い合った。バスケットボールが好きで高校時代は毎日していた。8歳の時、近所の犬の顔に落書きをしておこられた。
この絵本は戦争の絵本でありながら、戦争を描いたものではない。今は死んでいるひとりの兵士の人生を誕生までさかのぼっていくのであるが、その人生はあまりにも普通で、だからこそ胸に響く。ニュースでの戦死者は数で語られることが多く、その映像も現実味のないもの。しかし、そこで死んだ兵士のみならず一般の民衆にも、それぞれ普通で当たり前の幸せがあったのだということに気付かされる。シンプルな絵に簡潔な文章。淡々と描かれるそのページの余白に、何かを考えずにはいられない。(小山由絵)」
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
児童書 小学校高学年
- 感想投稿日 : 2023年7月16日
- 読了日 : 2024年3月5日
- 本棚登録日 : 2023年7月16日
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