【あらすじ】
江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、どこか歪な「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくが―。
【感想】
江ノ島は馴染みのある土地なので、風景は何となく想像できた。イメージしていた物語とは違ったけれど、存分に楽しむことができた。まず、この本の装丁が好き。江ノ島という言葉も付いたら、思わず手に取ってみたくなる。写真館の遺品整理をしながら、見事な推察力で未渡し写真にまつわる謎を解いていく繭。そして最後に、手伝いをしてくれた真鳥の写真、最大の謎であり秘密を解き明かす。そんな繭がクールでとってもかっこいいと思った。でも、その最大の謎、秘密には驚いた。わたしは考えもしない展開だった。ビブリア古書堂の事件手帖とは、また一味違うクールな物語だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年2月10日
- 読了日 : 2018年2月9日
- 本棚登録日 : 2018年2月9日
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