年下の男の子 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社 (2011年4月5日発売)
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【あらすじ】
マンションを買ってしまった、37歳課長補佐の恋の行方は? 銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。契約翌日、新製品の健康ドリンクの宣伝用フリーペーパーをめぐってトラブルが発生。価格欄が空白のまま刷り上ってしまったのだ。これは、徹夜で空白部分にシール貼りをするしかない。担当者のわたしは、ピーアール会社の23歳の契約社員・児島くんと夜を徹してのシール貼り作業を敢行。なぜか2人は話が合ったのだが……。

【感想】
14歳も年下の男の子に恋心を抱いてしまう。わたしは経験したことがないからわからないけど、確かに躊躇うというか、自分なんかが好きになっていいのかって思うのは当たり前だと思う。晶子は初めからずっと、児島くんのことが気になっていたんだと思う。初めは無意識だったかもしれない。でも途中からは絶対意識していただろうし、その気持ちを懸命にセーブしていたのが、すごくよくわかった。それが見ていてもどかしかった。でも、児島くんの猛アタック。汚れない一途な想い。それに徐々に心を揺れ動かされていく晶子。もしわたしが晶子だったら、歳のことを考えても、将来のことを考えても、絶対に児島くんのことを好きになってしまうと思う。だって、それくらい、児島くんは晶子に真剣だったから。そして、晶子は最後の最後でやっと、児島くんが自分にとってどれだけ大切な存在だったかということに気づかされた。好きって気持ちに、恋心に、愛に、歳なんて関係ない。晶子は児島くんの元へ走った。そのシーンに、わたしは嬉しさと安心を覚えた。良かった、って思った。一度は児島くんを突き放した晶子が、また児島くんのところへ戻ってきてくれたことが嬉しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年7月27日
読了日 : 2017年8月6日
本棚登録日 : 2017年5月26日

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