シリーズ第三弾。
“日常の謎”系の連作五話&“おまけ”が収録されている短編集となっております。
このシリーズは、ロジカルな謎解きに重きをおいているので、日常の謎とは相性バッチリなはず!と思っていたんですよね~。
まさに、その魅力が凝縮されている一冊かと思います。
学食の外に放置された丼の謎を解く、第一話「もう一色選べる丼」。
夏祭りの屋台で、どの店もお釣りが50円玉ばかりなのはこれ如何に・・?第二話(表題作「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」。
彼氏の早乙女君を心配する、針宮さんの不器用な心情が瑞々しい第三話「針宮理恵子のサードインパクト」。
演劇部OBが体験した、抱き合った少女二人の消失とは・・?第四話「天使たちの残暑見舞い」。
天馬の妹・鏡華が、花瓶を割った人物を追求する第五話「その花瓶にご注意を」。
・・・第一話から第四話は天馬のキレキレのロジックを堪能できますし、第五話は鏡華と仙堂警部の娘(!)・姫毬さんとのやり取りを楽しみながら、鏡華の切れ味鋭い謎解きっぷりを見せてもらえます。
個人的には、“おまけ”の「世界一居心地の悪いサウナ」が大好きで、終始ニヤニヤしながら読んでいました。
何だかんだで“似た者同士”の二人のやり取りが面白すぎます~ww、
“彼”が“世界で一番会いたくない相手”ってのも気になるところですよね。
各キャラクターそれぞれ味があって魅力的なのですが、“裏染ファミリー”が一歩抜きんでている感じです(こうなってくるとオカンが気になります)。
ところで、いつになく“百合の香り”が芳しい本書ですが、第四話で柚乃と早苗がやらされていた検証現場を鏡華が目撃したら悶絶しただろうな・・と、ほくそ笑んだ私でした。
あと、これは希望なのですが、針宮さんと早乙女くんの“水族館デート”の話が読みたいです!
それで、デート中に事件(謎)が起こって何故か居合わせた天馬が解決・・みたいな“水族館のほにゃらら~丸美水族館アゲイン~”的な話を、青崎さん是非よろしくお願いします~♪
- 感想投稿日 : 2023年12月10日
- 読了日 : 2023年12月10日
- 本棚登録日 : 2023年12月10日
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