『星が吸う水』
主人公・鶴子は、自身の性衝動を「勃起」だと認識している。恋人の存在も、効率良く排出するための行為をする相手に過ぎない。
一方で彼女を理解できない、一般的な恋愛観と性への認識を持つ梓と、無性愛者の志保。仲良しだからこそ、自分の価値観を理解してほしい、セックスという言葉の意味を崩壊して見せようと試みる。
『ガマズミ航海』
生きた肉片をしゃぶりたくなるからセックス(側から見たらセックスだけど本人はセックスと思っていない)をする主人公・結真。手ごろな体温をしゃぶりたい気持ちと、恋愛からくる純粋な欲望が異なることを相手の男には理解されないもどかしさから、性的じゃない肉体関係を見つけようとする。
女=性的弱者と思ってしまうのは凝り固まった性概念のひとつなんやなあ。わたしも梓のように自分のものさしふりかざして「そんなんじゃ幸せになれへんで!」とか要らぬ説教をしてしまいがちかもしれへん。反省。性の話なんて他の人と滅多にしないから、人の数だけいろんな感覚があるんだなあと新しい発見をしたような読後感。
そしていずれも性的な描写が多く出てくるんやけど、エロではなくて新鮮だった!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代文学
- 感想投稿日 : 2016年7月15日
- 読了日 : 2016年7月15日
- 本棚登録日 : 2016年7月15日
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