60秒の煉獄 (光文社文庫 お 39-7)

著者 :
  • 光文社 (2010年7月8日発売)
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本棚登録 : 181
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特別な力を授けられる男女の話。その力とは60秒だけ時間を止められるというもの。たった60秒。けれど、様々な使いかたによって、人の本性を暴き出す。とはいっても、使い方は自由だし、それが幸せととるのか、不幸なのかは判断しかねるよね。私が一番人を殺めたいと思うのは、通勤で、一瞬だえけ殺意が芽生えてしまう。
だからといって、この60秒でどうにかしようと思うほどの強い気持ちはないと思うのだけど、根底には人を殺めてのいいとするそれを肯定する気持ちがあるわけで。
この話の中にも無差別に人を殺すチョイスをする人がいるんだけど、すごく普通の生活を送っている人だったんだよね。え、こんな残酷なことができるの?っていう。
でもできちゃうんだよね。
全員がいいことに使うわけないし、他人を巻き込まないなんてきれいごともない。
その点ではリアリティがあるかな。
自分だったらどうするかって思うと、60秒の時間を止めても仕方ないかな。できれば過去に戻りたいと思うかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年12月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2013年1月6日

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