確か、09年自分が卒論のテーマを絞り込む段階の際に読んだ本。
卒論は渋沢栄一とは直接関連するものではないが、儒教にも通じる考え方を持っていた点では大いに参考となった。
この本は伝記的性格が強く、彼が単なる秀才ではなく、「行動」を伴った人物であったことがわかるものであった。ひとつ、ここに一例を紹介したい。
「本を読むというのは、何も畳の上に座って読むことだけが読書ではない。鍬を振って土を耕す時も、あるいは道を歩いている時も頭の中で本を読み続けろ。本を読み続けるということは、読んだ文字が現実に照らし合わせて、あるいは自分の生き方に照らし合わせて、どういう意味を持っているかということを追求することだ。しかし、決して急いではならない。時間をかけてじっくりと心の眼で本を読め」
読書をただ「読んで」満足するものに終わらせるのではなく、様々な状況下に自分の身を置かせながら読むことで現実とすり合わせ、そして自分の意識下に落とし込んでいくというものだ。さらに、焦って多くの本をひたすら読むのではなく、じっくりどんな意味が含まれているのか考え抜くこと、とある。
実際自分が最も課題とすることの一つだと強く認識させられる。
ある人は、「2度読み」読書法を薦める。一度読んだ本に付箋等付いてあるだろうから、その部分に注意しながら、改めて読んでみる。もちろん新たに付箋を付けたっていい。ただ、なぜその点が気になったのか、Whyに引っかかることが必要だという。
そこから、新たにその本の良さを発見し、魅了されるのであれば、それはより深い読書を行ったといえる。また、行動への意欲も高まるうえ、その行動を習慣に変える原動力ともなると言える。
残念ながら、自分は読んだ書籍数がまだまだ読み足りないため、「2度読み」は年に数冊分しかできていない。けれども、徐々に深い読みが実践できるように、まずは「幅」を広げられるようにしていきたい。
- 感想投稿日 : 2010年8月23日
- 読了日 : 2010年8月23日
- 本棚登録日 : 2010年8月23日
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