『日日是好日』『好日日記』に続く森下典子さんの茶の湯に関するエッセイ第3弾。お茶のイベントに参加することになり、自分の中で気持ちを盛り上げるために手に取った。
『日日是好日』は、森下さんがお茶を習うことにより人生が豊かになっていく様子を描いたエッセイ、『好日日記』は、季節ごとのお茶のエピソードをまとめたものだったが、『好日絵巻』は、季節ごとの茶道具や菓子を森下さんがイラストに描き、短いエッセイを添えたもの。「絵巻」という言葉通り、メインはイラストである。
ここ最近忙しい日々が続いていたが、温かみのある柔らかな筆致のイラストを見ていると、日常の慌ただしさを忘れ、ゆったりとした気持ちになる。季節を感じるって大事なことなんだなあ、と思う。
ちなみに、参加したお茶のイベントでは、季節のお干菓子として「薄氷」というお菓子が出された。「薄氷」は、本来は四角形の氷が割れたような形をしているようだが、今回出されたのは桜の花びらをかたどったもの。少し早い花見をしたような華やいだ気分になった。
お茶を習いに行く暇がなくても、家の中で少しだけ季節感を取り入れたり、ゆっくりとお茶をたててみたり、そんなことからぽつぽつ始めていこう、そう思わせてくれる素敵な本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
茶の湯・茶道
- 感想投稿日 : 2024年4月2日
- 読了日 : 2024年3月17日
- 本棚登録日 : 2024年4月2日
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