『所有とは責任であり モノは重荷になる
どんな重荷を背負うか 僕は自分で決める』
部屋が物で溢れかえっていることに嫌気が差した青年が、物との関わりかたを考える映画。
・まず全ての持ち物を倉庫に仕舞う
・1日1個だけ倉庫から物を取り出せる
・365日続ける
・その間に新しい物を買わない
フィンランドのドキュメンタリー映画。
ドキュメンタリーなので、無理矢理ドラマチックな事が起こるわけでもなく、淡々としていたけれど見ていて飽きなかった。
というか、何もない部屋でもお洒落に見える北欧すごい。
全裸スタートには笑いました。
その状態から、取り出していく物を1個づつ検証していくのかと思ったら、そこはあまり細かくやらなかったのがちょっと肩透かし。
「何を持ってくるのか」が大切なのではなく、「何を必要と考えるのか」って事をしたかったのかな、て思いました。
物がないことで困った主人公が、周りに助けを求めることで、一緒に「必要な物とは」を考えたり、助言を得たりする。
自分に本当に必要な物は何なのかと考えるのは、自分がどういう生活をしたいか=どういう人生を送りたいのかを考えることに繋がるのかもしれない。
そして人生には、自分だけじゃなく、周りの人々との繋がりもある。
そこから見える、必要なものとは、という自分なりの哲学を見つけるための実験だったのかもしれない。
終盤、彼女が出来てからのくだりは、ちょっと間延びしてたかな……。
少しずつ「普通の生活」に戻っていくだけで、何も事件は起きないから。
でも、むしろそれこそが台本のないドキュメンタリーなのかな、と思えなくもない。
良き映画でした。
- 感想投稿日 : 2020年5月31日
- 読了日 : 2020年5月12日
- 本棚登録日 : 2020年5月12日
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