ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

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  • 新潮社 (2019年7月12日発売)
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ケーキの切れない非行少年たち。
読めば読むほど色々と腑に落ちた。
発達障害を持って生まれ、その障害を誰にも気付かれず適切な教育を受けることもなく、『落ちこぼれ』として生きていかなければならなかった非行少年たち。
相手の気持ちや表情が読めず、『空気の読めないやつ』として社会からはじかれてしまった彼らが、犯罪を犯し少年院に入ってくる。そこで初めて発達障害を認知され、矯正プログラムとともに療育が施される。しかし10代後半まで成長してしまった彼らが障害を受け入れていくには長い時間が必要であり、彼らを根気強く支えていく他者が欠かせないだろう。
それまで非行少年として周囲に『厄介者』扱いされてきた彼ら。彼らにそんな理解者がいることは稀であろうし、そもそも彼らが自分のことを障害者として理解することも困難だ。
非行少年が非行少年になる前に、社会としてできることは何なのだろう。
自分がこれまで通ってきた小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代、それぞれに必ずいた『空気の読めないやつ』『すぐにトラブルを起こすやつ』、彼らにももしかしたら発達障害があったのかもしれない。
こういった情報は、知識としてもっと広く知られるべきだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月14日
読了日 : 2023年6月14日
本棚登録日 : 2023年6月14日

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