行動心理捜査官・楯岡絵麻 vs ミステリー作家・佐藤青南 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2021年5月11日発売)
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感想 : 41

シリーズ9作目。本編に作者自身を登場させちゃったよ!しかも犯人役で...どうするんだこれ!?

ここ2年で起きている連続通り魔殺人事件、やっと容疑者を見つけてエンマ様こと楯岡絵麻が取り調べを始めてみるも、殺された男の名前を聞いてもマイクロジェスチャー(無意識の微細運動、エンマ様はこれを観察することで相手の嘘を見抜く)が働いておらずピンと来ていない様子。手詰まりに思えたが容疑者が佐藤青南(作者)の信者だと言うことがわかり、被害者は佐藤青南をSNS上で批判したことで殺されたと思われる。

自身のオンラインサロンを開き、信者に作品を何冊も買わせて売り上げを伸ばし、成功した佐藤青南。そこにエンマ様の捜査の手が伸びるが佐藤青南もエンマ様の使うテクニック、知識を持った人間だった。最強の敵にどう戦いを挑むのか?

自分自身の描写って難しいと思うんだけど、かっこいいと持ち上げてみたり、よく見たら大したことないと下げてみたりその辺りの表現はフフフと笑いながら読んだ。佐藤青南もエンマ様と同じテクニックを使えるのでエンマ様の仕草から捜査の進展や、情報がわかってしまう。この辺りの読み合い、読まれ合いの攻防がめっちゃ楽しかった。佐藤も嘘を見抜かれるのを想定して動くので強い、本当に強い。鉄壁。

気になる方は是非読んでみて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月30日
読了日 : 2022年4月30日
本棚登録日 : 2022年4月30日

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