なぜヒトだけが老いるのか (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2023年6月22日発売)
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感想 : 8

なぜ生物は死ぬのか、の著者の新作です。

「なぜ生物は死ぬのか」の中で、生き物は食べられて死ぬ者と食べられなくなって死ぬ者の二種類に分類できるとあった。
ヒトはもちろん後者である。

ヒトの他、老いる生き物としてシャチ(あとは忘れた)が挙がっていた。
ヒトとシャチなど老いる生き物の共通点として、群れの中での生きる生き物であるといえる。
著者は、集団の中で老人には役割があり、そのために老いるまで生き続けることができるようになっているとの説を推している。
なるほど、群れの中で経験的に語り伝えられている知恵を持っているものや、養育の手伝いをしてくれる存在として老いたものの役割はある。
そういった存在は、尊ばれ、大切にされるであろう。
その結果、長く生きることができるようになる。

医療技術の発展ももちろんではあるが、健康寿命が延びたことも大きい。
また、もしかしたら晩婚化も老いた者がより長く生きねばならない要因になったのかもしれない。

個人的には55歳程度でもういい気がしている。
人生が終わらなくとも、その年齢を過ぎれば、第三の人生とでもいうべき人生を歩んでもいいのではないかと秘かに思っている。
老いることは悪いことだけではないとは思うが、とりあえず長く生きればいいというものでもないだろう。

何を成して、何を残したか。
ぼちぼち考え始める年齢に入った気もする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 息抜き
感想投稿日 : 2023年8月7日
読了日 : 2023年8月7日
本棚登録日 : 2023年8月7日

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